「僕の戦争」と物語について #考えた

昨日iphoneが「僕の戦争」を流してくれて、久しぶりにフルで聴いたら日本語歌詞の部分でウゥとなってしまった…
今年の2月、初めてこの日本語歌詞部分を聴いて、色々思うことが止まらなくて自分とリアル親友たちとの間でだけ共有してるノートにその気持ちを書き出したのを思い出したので、すこし直して貼ってみます
こういうことを書ける場所がほしかったんだよね

びっくりするほど長い上にきれいにはまとまってません



2021.2.21

今日アニメ進撃のオープニングテーマの「僕の戦争」のフルバージョンがリリースされました。今までテレビバージョンの短いのしか出てなかったんですね(そちらも買いました)
リリース前からずっと神聖かまってちゃんが言ってたのは日本語歌詞がありますってことなんだけど、それ聞いて私は……今すごくズーンときています……

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日本語歌詞の部分です。
私この歌詞聴いて、ものすごくエレンの「一人きり」を感じたんですよね。原作進撃の巨人とは関係ない、この夕焼けの帰り道の描写に。絶望的なくらいの一人きり。孤独、って言うのとまたちょっと違う、本当に一人だっていうのを殴られて痛みを伴って実感するみたいな……なんていうか、とにかく暴力的な雰囲気のある絶望。これを感じて、エレンはずっとこんな一人きりを感じながらいたのかもしれないと思ったら、もうなんか居た堪れなくなりました。悪かった!!お前をここまで追い込んだのは俺たちだ!!って104期と同じようなこと言いたくなりました。謝りたい。エレンごめんって言いたい。こんなずっと一人きりで、痛かっただろうなと思うと悲しすぎる。

で、同時に、あっ物語を書く意味ってこれか?って思ったんですよね。突然だけど。書く意味じゃないか、物語が生まれる理由?
今まで「物語」というものを読む理由は思いついても、書く理由、創作物が生まれる理由ってどうもよくわからなかったんだよね。私は創作はできないし、受け取り手でしかないからわからなかったのかもしれないけど、どうしてこんなものを生み出せるんだろう、それ以上にどうしてこんなものを生み出そうと思ったんだろう?ってずっと疑問だった。
特に私は、漫画はまぁちょっと違うかなと思うんだけど、小説に関しては起承転結の曖昧な、テーマのはっきりしないよくわからない物語が好きなんだよね。読み終わった後にこれはこういう物語だよ、って人に一言で説明できなくて、でもその物語の余韻が離れなくて、ずっとぐるぐる考えてしまうようなものが。そういうのが好きでありながら、なんでこんな物語が生まれるんだろうって思ってた。

それが、「僕の戦争」の日本語歌詞を読んで、進撃の巨人に直接は関係のない夕焼けの帰り道の描写に、エレンの「一人きり」を感じて絶望して、あぁこういうことなのかもって思ったんですよね。
創作が生まれる時、一つの、あるいは二つ以上の核になる感情のようなものがあって、それは「子どもが生まれましたハッピー!」「彼氏にフラれた悲しい」とか脈略のあるはっきりしたものではなくて、自分の中にある複雑で捉えがたい感情をどうにか自分以外の人にも感じてほしくて、形を変えて描くものが物語なんじゃないか?それは小学生の国語にある「作者の言いたいこと」じゃなくて、作者ははっきりとした何かを言いたいわけじゃなくて、心の動きそのものを味わわせることが目的なんじゃないか?
諌山先生は「読者を傷つけたい」みたいなことを昔のインタビューで言っていたように思うんだけど、まさに狙い通り読者は傷つきまくっているわけで。読者の「戦争はいけないことだと思います」っていうきれいにまとまった感想になる以前の、言葉にならない、どうしたらいいのかわからないショック状態こそが、創作の理由になるんじゃないかと思いました。
「僕の戦争」っていう物語には下敷きに「進撃の巨人」という作品があって(多分)、進撃の巨人を読んで感じた衝撃やそこから想像した登場人物の感情やなんやらを、夕焼けこやけの帰り道という物語にしたんだな、と思ったら急にふとそういうことかと思ったんです。何言ってんのって感じだよね、うまく言えない……。
多分この歌詞を一つ一つ取り出して検分して、物語に当てはめて考察することもできるのかもしれないけど、別世界の夕焼けこやけの帰り道は、考察しても直接は進撃の巨人に繋がってないんだろうと思う。一回神聖かまってちゃんを通過して生まれた別の物語なので……ということです(?)。そういう意味ではLinked Horizonが作る楽曲はちょっと違うよね。あれは直接進撃の巨人につながる創作物で、言うなれば1.5次創作なんだな……
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